2016年6月29日「塩麹・醤油麹を作る」から始まった優氣薬膳麹生活でしたが、2020年2月「白菜キムチ漬け」を最後に休止していました。そしてやっと4年ぶりに再開。「大豆とひよこ豆の味噌仕込み」と「薬膳講座」薬膳試食ランチ付きです。

当日は冷たい雨で気温も低く、この季節特有の天候でした。治療院内を片付けて、テーブルを出し、座布団を用意して、材料・テキストをテーブルに載せて、皆さんをお待ちしている間は、まるで一回目の開催の時のような気分になりました。

茹でた大豆とひよこ豆を潰して、米麹に岩塩を入れてよく混ぜ合わせ(塩切麹)、お団子を作って袋に黙々と詰めていく。直射日光が当たらない、温度差のあまりない場所に置き、3ヶ月目頃から味見をして熟成具合を確認し、自分好みの味になったらできあがり。冷蔵庫(または冷凍庫)で保存します。

参加者の方から「どうして手作り味噌は美味しいの?」と質問をいただきました。はて、そういえば何故なのだろう・・・。美味しくできた味噌に満足していた私は、あれこれと考え、調べてみました。

まずは新鮮な米麹を使用しているということ。2015年に福岡市「麹でロハス推進会」で上級麹士の資格を取得し、麹作りを行っております。今回の味噌仕込みに約8キロ弱の米麹を仕込みました。米麹・大豆・ひよこ豆・岩塩と材料がシンプルなので、できるだけこだわって選んだつもりです。でも味噌の美味しさはそれだけではないと・・・。麹は生きているからこそ「味噌」になります。仕込んでからの麹菌の成長を自然に任せて出来上がるのを待つ。たったこれだけの事なのに、なぜ味が違うのか・・・。  大手メーカーの味噌作りは早期熟成を可能にする技術があり、それが加温醸造。一定の温度を保って微生物の繁殖を促進させて大豆から味噌への発酵を速めることで生産量を増やしています。出荷前に加熱処理をして微生物を殺菌して、商品の安定を保つために保存料を添加します。すべてのお味噌に行っているわけではありませんが、お味噌の味は時間と共に変化していくため、安定供給するための過程です。「手作り味噌」との味の違いはこのあたりにあるのではないでしょうか。自然に熟成していく時間を待って、美味しくなった時に出来上がりです。